平均寿命が男女とも80歳を超え、女性は3年連続世界一となるなど、世界でもトップクラスの長寿国、日本。
しかし、その一方で介護の必要なしに自立した生活を送れる『健康寿命』は伸び悩んでいるといわれています。その原因の一つとして考えられるのが『認知症』です。
いつまでも、元気ではつらつと日々を過ごすために、認知症について理解を深め、その予防方法や対策方法を知っておきましょう!

 

自立が難しい認知症高齢者

認知症とは、脳の疾患が原因で判断力や記憶力などの認知機能が低下し、日常生活や社会生活に支障がでる状態のこと。代表的な症状である『物忘れ』をはじめ、『うつ』や『妄想』などの精神症状、徘徊などの問題行動が起こり、自立した生活が送れなくなります。
厚生労働省によると、65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人。認知症の前段階である軽度認知障害(MCI・年齢を超えた物忘れがあるものの、日常生活には支障がない状態)の高齢者も約400万人と推計されています。65歳の4人に1人が認知症とその“予備軍”となる計算です。
超高齢化社会が進む現在、今後もますます増えていくと推測されます。

 

「心配な物忘れ」とは?

認知症の『物忘れ』には特徴があります。たとえば・・・数日前に友人と食事をしたとします。そのとき『友人と話した内容があいまい・・・』といった体験したことの一部を忘れる場合は、加齢によるものといえます。一方、『友人と会ったことを忘れてしまう・・・』など体験したこと自体を忘れてしまうのは、認知症によるものの可能性が大きいです。
また、新しい体験ほど覚えにくくなるので、昔のことは覚えていても直前に起きたことを忘れてしまうといった状態が見られます。
また、ほかの症状として、これまで好きだった趣味に興味がなくなる、怒りっぽくなるなど性格の変化も現れます。

 

「心配な物忘れ」を見分けるポイント

 

加齢による物忘れ

*しばらく会ってない人や、あまり使わないものの名前が出てこない
*体験したことの一部を忘れる(朝ごはんのメニュー)
*ヒントをえると思い出せる
*忘れたことを自覚して気にする

 

認知症による物忘れ

*よく使うものの名前が出てこない
*体験した出来事自体を忘れる(朝ごはんを食べたこと自体)
*ヒントを与えられても思い出せない
*忘れたことを自覚できない

 

認知症の種類

 

*アルツハイマー型認知症

脳内に『アミロイドβ』と『タウたんぱく質』という2種類のたんぱく質が必要以上に蓄積し、神経細胞が失われて脳が委縮することで発症します。日本人の約7割を占めていて、物忘れなどの記憶障害からはじまり、進行すると日時や場所がわからない、段取りが立てられない、薬の管理ができない、徘徊など認知機能障害がおこります。

*血栓症認知症

脳梗塞や脳出血、くも膜下出血などにより脳の血管が詰まったり、破れたりすることで、神経細胞に血液が届かなくなり、認知機能が低下します。損傷を受けた脳の場所によって症状が異なり、歩行障害や言語障害を招くこともあります。また、小さな脳梗塞を繰り返すことでも起こり、その場合は日によって認知レベルが変化し、症状が現れたり現れなかったりします。

*レビー小体型認知症

『レビー小体』という異常なたんぱく質が大脳の広い範囲に蓄積し、神経細胞が失われます。幻視や手足の震え、筋肉のこわばりなどのパーキンソン症状も現れます。

その他、脳の前頭葉や側頭葉に委縮が起きる『前頭側頭型認知症』や甲状腺ホルモンの不足によって記憶障害が起こる『甲状腺機能低下症』、脳の中央にある脳室に脳脊髄液がたまり、脳を圧迫することで起きる『正常圧水頭症』などがあります。

 

予防の第一歩は生活習慣の見直しから

高血圧や、コレステロール値などが高い高脂異常症、糖尿病といった生活習慣病は、脳梗塞や脳出血などの引き金となり、血管性認知症の大きな危険因子です。
また最近の研究では、糖尿病患者はアルツハイマーの発症リスクが4.6倍になるといわれています。認知症を予防するためには、まず生活習慣を改善することが重要です。
食事は腹八分目を意識し、食べ過ぎには注意しましょう。野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)・魚(DHA、EPA)・赤ワイン(ポリフェノール)を積極的に摂りましょう。
飲酒も長年多量に飲んでいる人はほどほどに、また睡眠を十分にとり、ストレスをためないようにしましょう。

 

生活習慣の積み重ねが重要!

運動やコミュニケーションで神経細胞を活発にするため、まずはこまめに動きましょう。まず脳にしっかり血液を届けること。
運動ができる時間がない人は、普段の生活の中でなるべく歩くように心がけましょう。
30分程度のウォーキングなど、有酸素運動が効果的です。
神経細胞同士のネットワーク力を強化するため、脳に刺激を与えましょう。
脳は、見る・聞く・味わうなど五感を使うことで、刺激を受けます。視力・聴力が衰えてもメガネや補聴器で補正せずにそのままにしていたり、歯周病などで歯を失ったりすると、刺激が伝わらずに脳の機能が衰えてしまいます。補聴器や義歯などを活用しましょう。
さらに、人とのコミュニケーションは脳に新たな刺激を与え、神経細胞のネットワークが強化されます。趣味の仲間と交流したり、地域の社会活動に参加しコミュニケーションの場を広げましょう。

認知症は、発症するずっと前からの生活習慣の積み重ねが関係しています。
毎日の食事が偏りがちな人は、サプリメントを利用することで栄養バランスを整え、心身ともに健康な状態を保ち認知症になりにくい体をつくりましょう。